特派員だより

しだまち特派員

びーねこさん

<藤枝市在住・50代・主婦・女性>

道祖神

2012/1/28

藤枝市の北部へ向かう瀬戸谷路に入って間もない堀之内に、石のオブジェが登場した。
菅ヶ谷医院駐車場の奥に造られた、石彫家杉村孝氏の作品で「道祖神」と題されている。

その題名から想うのは、かつては人の往来のあっただろう、そして今は行く人も少なくなって野道となった路傍にひっそりと佇む仲むつまじい男女の石仏だ。
このオブジェは、顔こそ彫られていないが、その形状からしてまさにむつまじい男女を思わせる二つの石をメインに、正面の大きめな丸石を中心に小さな丸みを帯びた石がバランスよく配されてある。

メインの二つの石は、ほんの少し盛り土をした上に建ち、盛り土は「龍の髭」で埋められている。
丸石は、この駐車場を作るにあたって土中から出てきた自然石だとの事。
丸という形は、地球とか宇宙を連想させて、菅ヶ谷ご夫妻の日ごろの社会貢献など耳にしている私の目には、まさにご夫妻の世界観だ、と映った。作家が見事に、ご夫妻を深く理解して出来た作品だと。

しばらく眺めていると、造られたご夫妻の姿がいつの間にか消えて、自分とオブジェの間に祈りの空間が出来ていることに気づく。日々の安心、平穏がどんな人々の上にも訪れることを、知らず知らずのうちに祈ってしまうようなオブジェだ。

オブジェを囲むように配された木々や竹などが成長を見せてきたら、もっと違う世界、そう、日常を飛び越えた非日常の思考を遊ばせる床の間のような空間が現れるかもしれない。
今は、「龍の髭」が唯一の色彩として緑濃くぬくもりを伝える。